こちらのページでは二次関数の連続性の証明をイプシロンデルタ論法を用いて行います。
イプシロンデルタ論法の定義や基本的な証明の進め方が知りたい方は下の記事からどうぞ。
二次関数の連続性
例題3
例題3:$f(x)=x^2-2x+3$ のとき, $$\lim_{x\rightarrow 3}f(x)=6(=f(3))$$ を証明せよ.
証明:$\varepsilon >0$ とする. $0<\delta\leq 1$ と仮定すれば, $|x-3|<\delta$ のとき,
が成り立つ. さらに, $0<\delta\leq \frac{\varepsilon}{5}$ とすれば,
となる. よって, $\delta=\min(1,\frac{\varepsilon}{5})>0$ とおけば, この $\delta$ は先ほどの2つの仮定を満たすため,
$$|x-3|<\delta\Rightarrow|f(x)-6|<\varepsilon$$
が示されることとなる. よって題意は示された.
ポイント
今回のように二次関数の連続性を示すときに、$\delta$ に2つの条件(今回の場合は $\delta\leq 1$ と $\delta\leq \frac{\varepsilon}{5}$ である)を与えて、最終的に $\delta$ を $\min$ を利用して決めることがあります。
特別なことをしているようにも見えますが、$\delta$ は証明に利用できればどんな正の数でもいいわけなので、そこの論理が崩れない範囲ならどんないじり方をしても問題ありません。
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イプシロン・デルタ論法を使いこなすための例題がたくさん載っています。今回をきっかけに苦手をなくしておきましょう。