2014年の千葉大学の素数が絡んだ整数問題です。
整数問題の中でもシンプルなものですが、ある知識を利用しないと難しいです。
問題
$p$ は奇数である素数とし, $N=(p+1)(p+3)(p+5)$ とおく. $N$ は $48$ の倍数であることを示せ.
2014年千葉大学より
解答
$N(p)=(p+1)(p+3)(p+5)$ とおく。
$p=3$ のとき、$N(3)=196=48\times 4$ より、$N$ は $48$ の倍数である。
$p$ を $3$ でない奇素数とするとき、自然数 $k$ を用いて $p=6k\pm 1$ と表せる。
ここで、
$$N(6k+1)=(6k+2)(6k+4)(6k+6)$$
である。さらに因数分解をすると、
$$N(6k+1)=24(3k+1)(3k+2)(k+1)$$
となる。
連続する2つの整数の一方は偶数であることから、自然数 $l$ を用いて、
$$(3k+1)(3k+2)=2l$$
と表せる。よって、
$$N(6k+1)=48l(k+1)$$
となり、これは $48$ の倍数である。
同様に、
$$N(6k-1)=24k(3k+1)(3k+2)=48kl$$
と表せるので、この場合も $N$ は $48$ の倍数である。
よって、題意は示された。
ワンポイント
$2$ でも $3$ でもない素数 $p$ は、$p\equiv \pm 1\mod 6$ のいずれかを満たすということがポイントでした。
これは、必要な知識ではありませんが、$2$ でも $3$ でもない奇数であることを考えれば、簡単に導き出せます。