2019年の京都大学理系の素数を絡めた整数問題です。
一見、複雑かもしれませんが、最初の指針を立てることができれば、かなり的が絞られます。
問題
$f(x)=x^3+2x^2+2$ とする。$|f(n)|$ と $|f(n+1)|$ がともに素数となる整数 $n$ をすべて求めよ。
2019年京都大学理系より
解答
$n$ が偶数である場合を考える。
このとき、$f(n)$ も偶数であることから、$|f(n)|$ が素数となるとき、$|f(n)|=2$ である。
これを満たすような $n$ は $n=-2,0$ である。
よって、題意をみたす整数 $n$ は $-3\leq n \leq 0$ を満たす。
ここで、$|f(-3)|=7$、$|f(-2)|=2$、$|f(-1)|=3$、$|f(0)|=2$、$|f(1)|=5$ となり、これらはすべて素数である。
よって、求める整数 $n$ は、$n=-3,-2,-1,0$ である。
ワンポイント
$f(n)$ の定数項が $2$ であるということに注目できると、$n$ が偶数のとき $f(n)$ も偶数であることが判断できます。
また、素数である偶数は $2$ のみであることも忘れないでください。