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「pが素数ならば p^4+14 は素数でない」3通りの解き方

2021年の京都大学の整数論の問題です。

この記事では、オースドックスな解き方を2つと、フェルマーの小定理を使った解答をご紹介します。

整数論で絶対に役立つのが、合同式を使った場合分けです。合同式はそこまで難しくありませんので、高校で学習しなくても文系でも使いこなせるようになった方がお得です。

 

問題

$p$ が素数ならば $p^4+14$ は素数でないことを示せ.

2021年京都大学前期文系数学大問5より

 

3通りの解答

解答その1

$p$ を素数として、 $\mod 5$ について場合分けします。

$p\equiv 0$ のとき、$p$ が素数であるのは $p=5$ のときです。このとき、$$p^4+14=625+14=639=3\times 213$$

となり、$p^4+14$ は素数ではありません。

$p\equiv \pm 1, \pm 2$ のとき、$p^4\equiv 1$ より $p^4+14\equiv 0\mod 5$ となるので、題意を示すことができました。

 

解答その2

$p$ を素数として、$\mod 3$ について場合分けします。

$p\equiv 0$ のとき、$p$ が素数であるのは $p=5$ のときです。このとき、

$$p^4+14=81+14=95=5\times 19$$

となり、$p^4+14$ は素数ではありません。

$p\equiv \pm 1$ のとき、$p^4\equiv 1$ より $p^4+14\equiv 0$ となるので、題意を示すことができました。

 

解答その3(フェルマーの小定理)

フェルマーの小定理の内容は、次の見出しを参考にしてください。

その説明において、$q=5$、$a=p$ として定理を使うと、

$a\neq 5$ のとき、$p^{5-1}+14\equiv 1+14\equiv 0\mod 5$ となり、$p^4+14$ は素数ではありません。

また $a=5$ のとき、$p^4+14=3\times 213$ より、題意を示すことができました。

 

フェルマーの小定理

$q$ を素数とし、$a$ を $q$ の倍数でない整数とするとき、

$$a^{q-1}\equiv 1 \mod q$$

が成り立つ。