2013年の埼玉大学文系の問題です。
この問題はタイトルとは違い、実際には2題に分かれています。
文系数学ですが、微分をうまく使うと2題とも同時に解けてしまうので、その解法をご紹介します。
問題
(1) $64^{95}$ と $65^{90}$ の大小を比較せよ.
(2) $63^{100}$ と $64^{95}$ の大小を比較せよ.
2013年埼玉大学文系より
解答
$f(x)=(63+x)^{100-5x}$ とおく。ただし、$0\leq x$ とする。
すると、$f(0)=63^{100}, f(1)=64^{95}, f(2)=65^{90}$ となる。
$f(x)$ を変形すると、
$$\frac{\log {f(x)}}{\log (63+x)}=100-5x$$
$$\log {f(x)}=(100-5x) \log (63+x)$$
が得られる。
ここで、両辺を $x$ で微分すると、
$$\frac{f’(x)}{f(x)}=-5\log (63+x)\times \frac{100-5x}{63+x}$$
が得られる。よって、
$$f’(x) =-5\log (63+x)\times \frac{100-5x}{63+x}\times f(x)$$
と表せる。
ここで、$f(x)>0$ であるので、$0\leq x<20$ の範囲で、
$$f’(x)<0$$
が成り立つ。
よって、$f(x)$ は $0\leq x<20$ の範囲で単調減少する。
したがって、$f(0)>f(1)>f(2)$、つまり、$63^{100}>64^{95}>65^{90}$ となる。
ワンポイント
理系高校生で文系学部を受けたい人には、整数問題を微分の問題として解くことができるというメリットがあります。
このように、整数問題を単純化して考えることができるので、整数問題でも文字式などで表せることを常に頭に置いておくとよいでしょう。