2014年の富山大学(文系・理系)の整数問題です。
基本的な因数分解から、式を満たす整数を絞り込んでいきます。
問題
次の条件(ⅰ), (ⅱ), (ⅲ)を同時に満たす整数の組 $(x,y)$ をすべて求めよ.
(ⅰ)$y$ は $x$ の整数倍である
(ⅱ)$x\geq 2$
(ⅲ)$x^2+6!=y^2$
2014年富山大学工学部などより
解答
(i) の条件より、整数 $k$ を用いて、$y=kx$ とおく。
(iii) より、
$$6!=(kx)^2-x^2=(k^2-1)x^2$$
である。
$k^2-1$ が整数であることから、$6!$ は $x^2$ で割り切ることができる。
そのような $x\geq 2$ は、$x=2,3,4,6$ である。
$x=2$ のとき、$k^2-1=180$、 $k^2=181$ であるが、$181$ は平方数でないので不適。
同様に、$x=4$ のとき、$k^2-1=45$、 $k^2=46$ より不適。
$x=6$ のとき、$k^2-1=20$、 $k^2=21$ より不適。
$x=3$ のとき、$k^2-1=80$、 $k^2=81$。よって、$k=\pm 9$。
したがって、求める整数の組は、$(x,y)=(3,27),(3,-27)$ である。
ワンポイント
因数分解と、$6!$ が $x^2$ で割り切れることがわかれば、簡単な問題です。
指針が立てられなくても、与えられた条件のどこをいじれるかなどを考えることが大切です。この問題では二乗の差の形に注目できるといいですね。