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「恐竜は存在しない」とするキリスト教団体が存在!彼らの主張とは?

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世の中には不思議がたくさんあります。科学的に明らかであろうことも、ある団体からすれば「それは作られた陰謀論だ」とされることがよくあります。

この記事では「恐竜は存在しない」という陰謀論を信じている団体をご紹介します。

 

「恐竜は存在しない」と主張する団体

「恐竜は存在しない」としている団体の名前は「CAD」です。CADという名前は「Christians Against Dinosaurs」の頭文字から取られたもので、直訳すると「反恐竜キリスト教信者たち」となります。

彼らの活動のメインとなっているのはどうやらフェイスブック上で、現在は約2.1万人のグループメンバーがいるようです。全員が真剣に活動しているのか、冷やかし目的が多いのかは定かではありません。

 

この団体が広まったきっかけは、掲示板サイトのある投稿がきっかけでした。CADministryを名乗る人物の投稿の一部を抜粋し、日本語でご紹介します。

私は恐竜についてとても心配しているし、何かをしなければいけないと考えている。恐竜を説明できる科学には説得力がないし、私たちの子供に嘘を教えて欲しくない。あなたは1800年代に入るまで恐竜の存在が知られていなかったのを知っていますか?しかも、恐竜というのは好奇心旺盛なイギリス人によって「発明」されたのですよ?

 

CADが「恐竜は存在しない」とする理由

CADが「恐竜が存在しない」とする理由は複数あります。

 

理由1:恐竜の発見は作り話

先ほどの引用で紹介したように、1800年代に入るまで恐竜について詳細に記された論文等は発見されていません。

実際には恐竜の骨らしきものが1677年に記録されたのが恐竜研究の初めで(当時はゾウなど大型動物のものだと考えられていた)、実際に恐竜について科学的に詳しい論文が出されたのは1824年が初めだと考えられています。恐竜という名前が使われだしたのは1842年からと、さらに先の時期でした。

1800年頃まで記録が残っていなかったものが、いきなり現れるのはおかしいというのがCADの主張です。よって彼らは、恐竜は「発明」されたもの、すなわち「作り話」だと主張しています。

 

理由2:ダーウィンの進化論との矛盾

1859年にダーウィンは「種の起源」を発表しました。その中には「進化論」という理論が含まれていました。進化論というのを簡単に説明すれば、「生物は環境に適応して変化していく」といったものです。

これと恐竜の何が矛盾するのでしょうか?1824年の恐竜についての初めての論文が出された当時、恐竜は「創造された」と考えられていました。つまり「進化」ではなく、恐竜は神によって「創造された」と主張されていたのです。

つまり1824年の恐竜の存在論は、進化論が広く受け入れられるようになった後世では、矛盾を生むこととなってしまいました。

しかし現在では恐竜も進化から生まれたものだとされています。CADは、「1824年の論文が間違っていたために、後世に進化論に合わせて恐竜についての理論がねじ曲げられた」としています。つまり、1824年の論文は科学的根拠に基づいておらず、作り話であったのではないかと主張しているのです。

 

ただ、これにはきちんと科学的な反論があります。

神が全てを作ったとする「創造論」は、1824年当時は地質学者にとっては一般的な考え方でした。そもそも「進化論」の存在すら疑わしかったのです。聖書では「創造論」が絶対的なので、キリスト教徒にとっては仕方なかったのかもしれません。

 

理由3:キリスト教関係の理由

他にもキリスト教に関連した理由がたくさんあります。

例えば、聖書に書かれている地球の存在する期間に、恐竜がいたとされている期間に相当するものが存在しないとい主張があります。

化石は悪魔が人間を騙すために埋めたものだという、一見理解しがたい理由もあります。

キリスト教の聖書の中の記述とつじつまが合わないので、恐竜が存在しないというような理由がほとんどでした。

 

まとめ

反恐竜のキリスト教徒の団体CADをご紹介しました。意外と歴史に基づいた理由付けもあり、読んでいて楽しめるような陰謀論でした。

現在ではCADそのものがジョークだという考えもありますが、定かではありません。

恐竜がいないと信じる方、CADのフェイスブックを覗いてみてはいかがでしょうか?

日経ナショナルジオグラフィック社 (2019/7/19)