こちらのページでは三角関数($\sin$,$\cos$)の連続性の証明をイプシロンデルタ論法を用いて行います。
イプシロンデルタ論法の定義や基本的な証明の進め方が知りたい方は下の記事からどうぞ。
三角関数の連続性
例題6−1
例題6−1:$f(x)=\sin x$ のとき, $$\lim_{x\rightarrow c}f(x)=\sin c$$ を証明せよ.
証明:$\varepsilon >0$ とする. $|x-c|<\delta>0$ とおくと, 和積の公式, $|\cos x|\leq 1$, $|\sin x|\leq |x|$ を使えば,
$$|f(x)-f(c)|=|\sin x-\sin c|=|2\cos(\frac{x+c}{2})\sin(\frac{x-c}{2})|\leq 2\cdot 1\cdot \frac{|x-c|}{2}<\delta$$
が成り立つ. つまり, $\delta=\varepsilon>0$ とすれば,
$$|x-c|<\delta\Rightarrow|f(x)-f(c)|<\delta=\varepsilon$$
が成り立つ. よって題意は示された.
例題6−2
例題6−2: $f(x)=\cos x$ のとき, $$\lim_{x\rightarrow c}f(x)=\cos c$$ を証明せよ.
証明:例題6−1より, $\cos x=\sin (x+\frac{\pi}{2})$ は連続である.
ポイント
利用した3つの式、和積の公式、コサインの最大値、サインに関する不等式を利用するのがポイントです。
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イプシロン・デルタ論法を使いこなすための例題がたくさん載っています。今回をきっかけに苦手をなくしておきましょう。