2014年の一橋大学(文系)の素数が絡んだ整数問題です。
場合分けがカギを握ります。
問題
$a-b-8$ と $b-c-8$ が素数となるような素数の組 $(a,b,c)$ をすべて求めよ.
2014年一橋大学より
解答
$b-c-8$ が素数であることから、
$$b-c-8\geq 2$$
$$b\geq 10+c\geq 12$$
である。よって、$b\geq 13$。
同様に、
$$a\geq 10+b\geq 23$$
が得られる。
よって、$a,b$ は奇素数である。
このとき、$a-b-8$ は偶数であるため、
$$a-b-8=2$$
$$a=b+10$$
となる。
(i) $b-c-8=2$ のとき
$b$ は奇数なので、$c$ も奇数となる。
ここで、$c=3$ とすると、$b=13,a=23$ は両方素数なので、$(23,13,3)$ は題意をみたす。
ここで、$c\neq 3$ のとき、自然数 $k$ を用いて、$c=6k\pm 1$ と表すことができる。
このとき、$b=c+10=6k+9,6k+11$ である。
$6k+9$ は合成数なので不適解。
よって、$b=6k+11$ である。
このとき、$a=6k+21$ となるが、これは合成数なので不適解。
(ii) $b-c-8$ が奇数のとき
このとき、$c$ は偶数となるので、$c=2$。
よって $b-c-8=b-10$ となる。
$b-10=3$ のとき、$b=13,a=23$ となり、$(23,13,2)$ は題意をみたす。
$b-10\neq 3$ のとき、自然数 $k$ を用いて、$b-10=6k\pm 1$ と表すことができる。
この場合も、(i) の場合と同様に、解はない。
よって、求める素数の組み合わせは、$(a,b,c)=(23,13,3),(23,13,2)$ である。
ワンポイント
$a,b$ が奇数であること、奇素数が $3$ かそうでないかで場合分けをすることを押さえておけば、スムーズに解くことができます。