2015年の九州大学文系の第4問の素数が絡んだ整数問題です。
実際には誘導付きの問題ですが、誘導部分は最後のワンポイントでご紹介します。
問題
$p$ を素数とし, $k$ を $0$ 以上の整数とする. $2^{p-1}-1=p^k$ を満たす $p,k$ の組をすべて求めよ.
2015年九州大学文系第4問(2)より
解答
$p=2$ のとき
$$2^{p-1}-1=1=p^0$$
$p\geq 3$ のとき
このような素数は奇数なので、自然数 $n$ を用いて、$p=2n+1$ と表せる。
このとき、
$$2^{p-1}-1=4^n-1\equiv 1^n-1=0\mod 3$$
である。よって、
$$p^k\equiv 0\mod 3$$
$$p\equiv 0\mod 3$$
であるとわかる。
このような素数は $p=3$ である。このとき、
$$2^{p-1}-1=3=p^1$$
である。
よって、求める組は $(p,k)=(2,0),(3,1)$ である。
ワンポイント
この問題の誘導部分は、「$n$ が正の偶数のとき、$2^n-1$ は $3$ の倍数であることを示せ」というものでした。
剰余類を使わずに解くには、二項展開を利用すると良いでしょう。